Day 30 〝絶望〟【日本一周の旅】

あんな絶望的な思いはもう二度としたくない…。30日目の旅の記録です。

データ

日付:2018/4/30(月)

天気:☁

気温:最高 23.9℃ / 最低 13.7℃(奈良県奈良市)

ルート:ガスト 門真店(大阪府門真市)→ ホテル 葉風泰夢(奈良県奈良市)

通った道:国道163号線など

走行距離:31.74 km

積算走行距離:1247 km


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日記

ガストで3時間ほど(2:00〜5:00くらい)寝て、5:00からはずっとブログを書いていました。今日は奈良駅近くのホテルに泊まることにしていて、ここから25kmほどの距離しかなかったので、お昼くらいまでガストでゆっくりしました。

↑ モーニングメニューのスクランブルエッグセット(税抜399円)。かなりまともな朝ごはん。

12:00前にガストを出発。結果的に12時間くらいガストにいたことになりますw ご迷惑でなかったことを祈る😅

移動を開始する前に、昨日の夜も行ったうどん屋さんで昼ごはんを食べました。

↑ カツ丼セット(810円)。贅沢しすぎたなとちょっと後悔😅

13:00くらいに奈良県を目指して出発!!だいぶ急なアップダウンが待っていましたが、距離がそんなにないので2時間もあれば到着できるだろうと思っていました。

しかし。このあととんでもない絶望を味わうことになります。

絶望したこと

写真を撮る余裕が全くなくて1枚も撮っていないので、文章で伝わるように頑張りたいと思います。記録のために詳細に書きます。

しばらく大きな通りを走ったあと、山道(道は舗装されている)に入りました。傾斜が急なところは自転車を押して歩き、そうでもないところは頑張って自転車に乗って上り坂を上りました。

頑張って自転車をこいでいると、後ろから来た車にクラクションを鳴らされ(かなり感じの悪い鳴らし方だった)、通り過ぎざまにわざわざ車の助手席側の窓を開けて「お前アホかァ!!」と怒鳴られました。車道の端っこを走っていたので、向こうからしたら邪魔だったのかもしれません(そもそも車道しかなく、自転車や歩行者は端っこを通るしかなかった)。でもそんなふうに怒鳴られるようなことは何一つしたつもりはなかったので、わけが分かりませんでした。

気を取り直して坂を上り続けると、やっと下り坂に。Google Mapの経路に従って順調に走っていました。

しばらく山道でしたが、下り坂が終わると急にちょっとしたジャンクションのようなところに出ました。ここで問題が発生します。

そこから奈良方面へまっすぐ行く道は進入禁止になっていて、それ以上前に進めませんでした。用意されていた道は、大きくUターンをして大阪方面に戻る道(それも自転車や歩行者が通っちゃいけないような大きくて長いトンネル)か、さっき下ってきた道の2択。でもGoogle Mapは、そのまままっすぐ進むよう指示していました

どうすればいいのか分からず、とりあえずUターンして大阪方面に戻るトンネルに入ることにしました。一応左側に歩行者用と思われる、車道とは高さ1mくらいの柵で仕切られた道がありました。しかし僕はすでに車道側に出てしまっており、歩行者側に入るためには車道を逆走して柵のないところまで戻らなければならず、それは危険だったのでそのまま車道を走行しました。車がすごいスピードで僕のすぐそばをどんどん追い抜いていくのでかなり怖かったです。しかも、トンネルに入ってすぐ白バイ(たぶん)が僕のそばを通り、左腕を2回「ブンッブンッ」と大きく振りました。それはおそらく僕に向けたメッセージで、「歩行者側に入れ!」なのか「このトンネルから出て行け!」なのか、とにかく腕の振り方から強い警告メッセージであることは分かりました。

でもどうしようもなかったのでそのまま車道を走り続けていると、車が2台くらい停車できるようなちょっとしたスペースが車道と歩行者用通路の間にありました。とりあえずそこに入って、荷物を搭載したかなり重い自転車を、火事場のクソ力で「うおらぁぁぁぁぁ」と持ち上げ、柵を越えて歩行者側に移りました。ただ僕の力ではその作業は本当にギリギリで、しかも地面が少しぬかるんでいたので、柵をまたいで歩行者用通路に自転車とともに入った瞬間、すべって転倒してしまいました。幸いうまく受け身がとれたのでタイヤがパンクしたりはしませんでしたが、脚を少し擦りむきました。

結構長いトンネルを無事抜けると、大阪方面へ向かう道が果てしなく続いており、奈良方面への道にUターンできる余地はありませんでした。それにUターンできたところで、奈良方面側の道はどう見ても車道しかなく、歩行者・自転車は進入禁止であろうような道でした。

それでも、やっとの思いで上り坂を上ってここまできたので、大阪方面にまた戻るのだけはどうしても嫌でした。周囲を見渡すと、歩行者用の、石で作られた古い歩道橋があり、それで反対側の道路に行くことができることが分かりました。自転車を持ち上げながら階段を上り、反対側の、おそらく奈良方面への道に続いていると思われる道に出ることができました。

トンネルがだいぶ下り坂だったので、また上り坂を上ることになりました。もはやGoogle Mapは信頼できなくなっていたので、この道が奈良県につながっていることを祈るしかありません。「大丈夫!」「このまま行けば必ず奈良県に着く!」と声に出して自分に言い聞かせながら(そうでもしないと本当に心が折れそうだった)、必死になって坂を上りました。ちなみにこのときもう水が尽きていたので、喉もカラカラでした。

そしてついに!比較的道幅も広い下り坂に入りました。これでやっと山道を抜けられる…!!

そう思ったのですが。

辿り着いたのは、さっきのジャンクションでした。同じところに戻ってきたわけです。

このときは本当に、「これが絶望というものか」と思いました。両目からツーっと涙が出てきました。まるで無人の車だけが走っている、人間のいない世界に迷い込んでしまったような気持ちになりました。村上春樹の『1Q84』で、主人公の青豆が首都高で1984年から1Q84年の世界に入ってしまうシーンを思い出しました(そう考えるとまあまあ冷静ではあったw)。

しばらく途方に暮れていましたが、来た道を戻っていったん大阪に戻り、全然違う道を通って奈良を目指す覚悟を決め、15:00にチェックインする予定だったホテルに電話して時間を17:00に変更してもらいました。このとき14:30くらい。そして最初に通ってきた道を引き返しました。すると…

引き返さないと分からないような場所に、〝歩行者、自転車は右折して旧道へ〟といった内容の小さな看板が立っていました。

それに従って走ってみると、さっきは見つけられなかった道があり、そこに〝奈良方面〟と書いてありました。さらに、その道沿いに何らかの施設があり、入り口のところに警備員と思われる白髪のおじさんが立っていました。久しぶりに見た〝〟でした。

藁にもすがる思いでそのおじさんのところまで行きました。

僕「奈良に行くにはこの道で合っていますか…?」

おじさん「合ってるよ。もしかしてあっちから来てまたぐるっと戻ってきたの?(笑)」

僕「そうなんです(T_T)!!」

おじさん「おめぇ、ちゃんと看板が立ってたろ?」

僕「小さくて分かりにくいところにあったので気づかなかったんです…」← ちょっと泣きそう

おじさん「おれも昔は自転車であの道を通って同じ思いをしたことがあるよ。それも昔は今ほど道が整備されてなかったんだぞ?」

僕(おじさあああああん)※言ってません

僕「とにかく、こっちで本当に合っているんですね?」

おじさん「合ってるよ(笑)」

そのあとおじさんはさらに詳しく道を教えてくれました。もしも看板に気づけなかったら…おじさんに出会えていなかったら…僕はどうなっていたんでしょう。1Q84年から抜け出せなくなっていたかもしれません。

絶ッッッ対に、僕と同じ経験をした人が少なからずいると思うんです。あの〝地獄のジャンクション〟で。なんでもっと大きく分かりやすく看板を立てないんだろう、と激しく思いました。

というわけで日記に戻ります(笑)

奈良方面への道に入れはしましたが、心も身体もだいぶボロボロだったので、ちょっと走ったところにあったローソンに寄って、トイレを借り、水を買いました。なぜかガラの悪い客が多くて、周囲の人間すべてが敵に見えました(だいぶ精神状態やばいw)。

移動を再開し、やっと奈良県に突入。

またちょっとしたアップダウンのある道を1時間ほど走って、やっと『ホテル 葉風泰夢(ハーフタイム)』に到着。16:00前でした。

喫煙ルームをとっていましたが(それしか選べなかった)かなりタバコ臭かったので、試しにフロントに電話してみると、禁煙ルームに変えてもらえました!こういった比較的大きなホテルには珍しく、フロントの皆さんがとても優しく柔軟で、素晴らしいホテルでした。

精神的にだいぶ参っていたので母に電話して、さっきあったことを全て話しました(笑) おかげでだいぶ楽になりました。やっぱり何かつらいことがあったときは誰かに話すのが一番です、間違いなく!!

母と電話したあと、疲れていたので2時間ほど眠りました。それから起きて外に出て、夜ごはんを近くにあった松屋ですませ、コンビニで買い物をしてホテルに戻りました。そしてちょっとした贅沢をしました。

↑ 「頑張った…おれはよく頑張った…!」と自分を労いつつ、YouTubeを観ながら食べて飲みましたw

というわけで、大げさなタイトルをつけてしまいましたが、本当に絶望的な思いをした30日目でした。もうマジで嫌です、あんな思いは(笑)

最後までご精読、ありがとうございました。

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