Day 8 〝初の野宿と恐怖体験〟【富士山/野宿】

〝旅してる感〟が満載だった、8日目の旅の記録です。

データ

日付:2018/4/8(日)

天気:☀

気温:最高 16.2℃ / 最低 3.4℃(山梨県南巨摩郡南部町)

ルート:ホテルオーク静岡(静岡県静岡市)→ 内船駅(山梨県南巨摩郡南部町)→ なんぶの湯(同左)→ とある大きな駐車場(同左)

通った道:国道1号線、国道52号線など

走行距離:53.31 km

積算走行距離:283 km


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日記

朝は8:00に起きるも、ゆっくりしたりもう1回寝たりして、なんだかんだで11:00にビジネスホテル『ホテルオーク静岡』をチェックアウト。

自転車を停めていた静岡駅近くの駐輪場まで歩いて行き、自転車をとってから、その近くの吉野家で昼食としてチーズ黒カレー大盛り(550円)を食べました。それから次の目的地・山梨県は甲府駅を目指して出発!時刻は12:45くらいでした。

昨日通った国道1号線を16kmほど東に向かって戻り、興津駅(おきつえき、静岡県)を通り過ぎてから国道52号線に乗りました。昨日に引き続き風は強かったけれど、今度は追い風だったので走るのがかなり楽でした。追い風と向かい風とじゃ気分も労力も全然違う。

国道52号線は緩やかなアップダウンが繰り返される道で、上り坂はちょっと大変だったけれど、6日目の上り坂のほうが圧倒的に大変でした。それに比べればそこまででもない。景色も自然豊かで、走っていてとても気持ちよかったです。

何回か遠くの方に富士山が見えて、いちいち「おぉ〜〜〜!」と声に出しながら走りました。

気づけばいつの間にか山梨県に突入。この時点で16:00前くらいで、日も徐々に傾いていました。

そのまま走り続けると、十島駅(とおしまえき)という駅があったのでそこでちょっと休憩することに。
周囲には人っ子一人おらず驚くほど静かで、落ちた葉っぱが風で移動する音さえも鮮明に聞こえました。空気もきれいです。

ここで休憩しつつGoogle Mapを見ていて、あることに気づきます。

だいぶ先まで行かないと、宿というものがない。

「これはまさかの…人生初の野宿か…!」とこの時点から思い始めるも、日が暮れるまで行けるところまで行ってみようと決めて移動を続けました。道中の景色がいちいちきれいだったので、そのおかげでそこまで不安にならずにすみました。

お腹もだいぶ空いてきて、もし食事処のようなところがあれば入りたかったのだけれど…なかなか見つからない。それにあったところで日曜日だからやっていないかもしれない、と今日の夕飯を諦めかけていたそのとき。あった!

↑ 鳥唐揚定食(810円)。これが死ぬほど美味しかった。旅に出てから、普通の食事がとてもおいしく、ありがたく感じられるようになりました。

18:00くらいに『食堂やがわ』を出て移動を再開。すぐ近くに内船駅(うちぶなえき、このあたりでは比較的大きな駅)がありました。ここから先はまたしばらく自然に囲まれた道が続きそうだったので、今日はこのあたりで夜を明かすことに。問題はどこで寝るかです。旅人のくせにテントというものを持っていないので。

駅の近くに、まだ営業していた洋菓子店があったのでそこに入り、お店にいらっしゃった感じのいいおばあちゃんにどこか泊まれるところはないか訊いてみました。しかし案の定「このあたりにはないなぁ…」と言われてしまう。『佐野川温泉』というところならあるとのことでしたが、内船駅から10km以上離れている上に宿泊料も高かったのでそこは諦めました。
「もしよかったらうちに泊まっていくかい?」的なことを言ってくれないかなぁ…と淡い期待を抱いていたけれど、世の中そんなに甘くない。

それからあたりをうろうろしていたら、偶然『なんぶの湯』という銭湯を見つけたので立ち寄りました。今日はお風呂に入るのも諦めていたのだけれど…よかった!

↑ 館内にいくつかあった昔ながらのゲーム。懐かしいけど、これ需要あるのかな。

館内は地元の人たちで賑わっていました。お年寄りから子ども連れの家族までみんな楽しそうで、いるだけでなんだかちょっと幸せを感じました。

お風呂もこれまた気持ちよく、ありがたみを感じます。

閉館時間の20:00ぎりぎりまで館内でゆっくりしました。それから、近くに23:00までやっているコインランドリーがあったので、しばらくそこにいさせてもらうことに。そこでこの記事のほとんどを書きました。

22:00くらいにコインランドリーを出て、近くの大きな駐車場に寝袋をセッティング。テントを持っていないと必然的にこういうことになる。

めちゃくそ寒いです(22:00現在の気温:6.1℃)。やばいです。

でも、寝転がると真上には大きな星空が広がっていて、息を呑むほど綺麗でした。日記に載せたかったけれど、iPhone 8では星空を綺麗に撮ることができない。残念…。

今日はここで寝て、明日は日の出とともに起きたいと思っています。

ー・ー・ー・ー

というわけで、そんな感じの8日目でした。走った道、景色、野宿、星空など〝旅してる感〟が満載だった。

最後までご精読、ありがとうございました。また明日!

旅中にあった怖い話【追記】

この日、なかなかに怖いことがあったのでそのことについて書きます。

先述のとおり、寝袋をセッティングしたのが22:00くらい。それからこの日の旅の記録を書き上げ、22:30くらいに床につきました。でも寒かったし(気温はこの時点で5〜6℃)、ずっと気を張っていたので、寝ているようでなんとなくずっと起きているような状態が続きました。そんな状態で1時間くらい寝袋の中で過ごしていると…

誰かの足音が聞こえました。

当然写真なんて撮れていないので、文章だけで伝えられるようにがんばります。

小学校の校庭が一回り小さくなったくらいのかなり広い駐車場でしたが、周囲はほぼ完全な静寂に包まれていたので、その足音ははっきりとぼくの耳に届きました。ぼくはその人物(人間かどうかすら定かではないが)に気づかれないように静かに寝袋の中で体勢を変え、ビーチフラッグのスタート時のような体勢になります。うつぶせになってあごの下に両手を重ねて置き、顔だけあげているような状態。そしてじっと息をひそめて、その人物を観察しました。

その人物は、僕が寝袋を敷いていた駐車場の隅っこから100〜200mくらいの距離のところにいました。ぼんやりとした街灯しかない暗闇の中で、人の形をした黒い影が動いているのがやっと視認できるくらいの距離感です。

その人物は、野球のピッチングフォームの練習のようなことをしているように見えました。動き的に、バットの素振りでもゴルフスイングでもなく、たぶん野球のピッチングです。

もしかしたら真面目な野球部員か何かで、夜中に誰もいない駐車場で練習するのが日課なのかな」と一瞬思いました。

しかし、すぐにそうではないであろうことが分かります。

普通、ピッチングの練習にしてもバットの素振りにしても、1回あたり少なくとも10回くらいはやるものです。10回前後を1セットとして、休憩をはさみつつそれを何回か繰り返す、みたいな感じで。

しかしその人物は、その不可解な動きを2〜3回しか繰り返さなかった。そしてその動きが終わると、その動きをしていた地点をちょうど中心点にするような形で、ぐるぐると半径2mくらいの円を描くように歩き回るのです。それも5〜10分くらいの間、休みなく。ピッチング練習のような不可解な動きをしていた時間よりも圧倒的に長い時間です。その〝円運動〟が終わると、またピッチングのような動きを一瞬やり、また円運動、という繰り返しでした。

ぼくはわけが分かりませんでした。暗くて遠かったのでよく見えなかったというのもあったけれど、その人物は明らかにぼくの理解を超えた行動をとっていました。怖いなんてもんじゃありません。

その人物がこちらに気づいているかどうかも分からない。でもこちらから見えるということは、向こうからもぼくのことは見えるはず。少なくとも自転車が停まっているのは確実に見えたはずです。

ぼくはもしもその人物が自分のほうに近づいてきたら、すぐに寝袋から出て戦えるように身構えていました。緊張の糸が途切れないように、ずっと目を見開きながら。脇の下に汗が垂れていく。

そのようにして30分くらいその人物を観察していて、また新たなことに気がつきます。その人物のすぐ近くに、ぼくが寝袋を敷いたときにはなかったはずの車が停まっていたのです。

その人物は〝円運動〟を終えると、ちょいちょいその車の影に隠れ、トランク(?)で何かをやっているように見えました。ということはその車はおそらくその人物の車ということになります。

さっきその人物の足音は聞こえたのに、車が入ってくるような音は聞こえませんでした。もしも車が入ってきたのなら、その走行音が聞こえないはずはない

そんな謎が謎を呼ぶ恐怖の時間が1時間ほど続いてから(時間の感覚なんてとっくに失われていたけれどたぶんそれくらい)、やっとその人物は車の運転席に乗り込み、エンジンをかけてヘッドライトをつけ、駐車場を出て行きました。

しかし、駐車場を出たら必ず通るはずの道に、その車は一向に現れませんでした

ぼくは恐る恐る寝袋から出て、駐車場の出口のほうへ忍び足で行ってみました(出口はちょうどぼくがいたところの死角にあった)。道に出てこないということは、出口のあたりにまだいる可能性があったから。でもその車の姿はもうどこにもありませんでした

ー・ー・ー・ー

そんなお話です。

当然そのあとは眠ることなんてできず、ひたすら寝袋の中で寒さに耐えていました。あれは一体なんだったのだろう。

こんな話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。駐車場で野宿をする際はくれぐれもお気をつけください。

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